2008年01月31日

儲けいろいろ 5

第一建設の創業者米花社長は町の人気者でありたいと思っていた。特に名刺はケースごと持ち歩いていた。それも肩書きが幾つもあり、住宅評論家であったり川西市民などがあった。政府が土地取引に対して重加算税を検討し始める頃不動産業界が東京武道館で反対の総決起大会が開かれる日に名刺を3万枚持って出かけた。その訳は全国の同業者の方に会う機会はこれしかない。「まあそうだけど」・・・。武道館の出入り口を二人では賄えないので学生のアルバイトを用意していた。近畿地方の知合いの幹部が「ヨネさんなにしにきたんや」「ワテモ反対運動にきましたんや」「ほんまかイナ」・・・ようやく配り終えすぐに国会議事堂に向かった。前日に知合いの国会議員に連絡を取ってあったので秘書に議事堂内を案内してもらった。
1階のロビーにあった伊藤博文、大隈重信、板垣退助の銅像を見上げ「偉い人は違いまんな」と感嘆しきり。帰ってまもなく東京から銅像製作会社のスタッフが訪れ2体も銅像を発注する事になった。「1体は会社、もう1体は自宅の庭に置く」「ほんまかいナ」こうなると止められない。除幕式も盛大に?やった。次は名刺事件。市民のお一人お一人と挨拶するのに手間が掛かる。そこで自分の名刺を新聞折込するようにおおせつかった。「ハイ分かりました」早速業者を呼び打ち合わせしたのだが機械で挟んでいくため小さすぎて・・・とのこと「わかった!ご自宅と会社付近だけ手で挟みこんでくれ」翌日朝早く社長から自宅に電話があり、「うちの新聞に入ってヘンガナ!どナイシタンや!」すぐに業者に連絡すると「ワテガ入れたから間違いありません」また社長から連絡があった「すまん足元にあったワ」その後社長の友人が立ち寄った時「ヨネさんの名刺が駅のトイレに落ちとった。ワシは小便ようせんかった」それから二度と名刺を粗末に扱わなくなった。
  


Posted by おかげさま at 16:55Comments(0)
QRコード
QRCODE

アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 0人
プロフィール
おかげさま
オーナーへメッセージ